リコンサイル業務を自動化して勘定科目の照合を効率化

 2020.10.09  クラウドERP編集部

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リコンサイルとは、リスク管理手法の一つとして活用されており、正しいデータを取り扱わなければいけない金融機関や事業会社にとって必要不可欠です。勘定科目の照合ミスは、さまざまなトラブルを引き起こすことがあります。

企業の信頼を維持するためにも、作業効率を上げるためにも、リコンサイル業務の基礎知識や重要性を押さえておきましょう。

reconciliation-automation

リコンサイルとは?

最初に、リコンサイルの意味と概要を確認しておきましょう。

リコンサイルとは、取引明細や残高などを照合することです。リコンサイルは、主に金融機関で活用されています。金融機関が対外的に行うリコンサイルには、取引・決済相手との約定照合や決済照合、担保差入先との担保残高照合、証券保管先や振替機関との証券残高照合などがあります。

一方、社内で行うリコンサイルとしては、海外の銀行で保有する自行口座の取引明細や残高照合、フロントオフィスとバックオフィスの取引データの照合などが挙げられます。

リコンサイルは金融機関の事務部門だけでなく、事業会社の財務部門などでも活用されています。どの企業・部門でも、データの照合と問題があった場合の原因究明という基本的な作業は共通していますが、照合する内容はそれぞれ異なります。

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想定される主なリスク

一般的にリコンサイルは、信用リスク、決済リスク、事務リスク、システムリスクの回避を目的として行われます。リコンサイルが機能する際に想定されるリスクについて、それぞれ解説します。

信用リスク

信用リスクとは、その名のとおり信用問題が生じるリスクです。例えば、取引相手と取引詳細の照合ができておらず、取引のミスが発覚するまで時間がかかったため、発覚時に取引の取り消しができないケースがあります。

実際に購入した証券があり、それに信用リスクが生じた場合は、発行体の有価証券の価格は下落します。倒産に至れば、投資元本が償還されない可能性もあります。信用力の低い金融機関や事業会社は、信用リスクが高いと言えます。

流動性リスク

流動性リスクとは、リコンサイルがないことで適切なタイミング、適切な価格で取引できないリスクのことです。

例えば、銀行からの通知をリコンサイルしていない場合、手数料の口座引き落としを見落としてしまい、預金口座に一時的にマイナス残高が発生してしまった事例がありました。この場合、利用者が銀行に金利を支払う必要があります。

適切なタイミングで取引ができるようにするためにも、リコンサイルは必要です。

事務リスク

事務リスクとは、事務手続きによって問題が生じるリスクのことです。

例えば、リコンサイルをしていなかったために、証券の引き出し入力に漏れがあったことが発覚せず、間違ったデータが記載された取引残高報告書が顧客に交付されてしまった事例がありました。間違った取引データを顧客に提示することがないように、事務リスクを抑える必要があります。

システムリスク

システムリスクとは、システムに不具合があり、正常なデータが反映されないリスクのことです。フロントオフィスシステムとバックオフィスシステムの間では、通常は取引データのリコンサイルが行われますが、行われていないとフロントオフィス・バックオフィス間のデータの送信漏れが発生しても気づかず、決済フェイルが発生します。

システムエラーを防ぎ、正しいデータの送受信を行うためにも、リコンサイルは不可欠です。

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リコンサイル 業務を自動化する「Account Reconciliation」とは

リコンサイルは、顧客の大切なデータを取り扱う金融機関や事業会社において、必要不可欠です。しかし手動で行うのは非常に難しく、人為的ミスによってリスクを見逃してしまうおそれがあります。

そこでおすすめしたいのが、リコンサイル業務を自動化する「Account Reconciliation」です。

Account Reconciliationとは、「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」に含まれる機能の一つで、勘定科目の残高が正しいかどうかの確認や、企業の財務勘定が適正であることの確認のプロセスを自動化できます。

Account Reconciliationで構成されるモジュールには、「照合コンプライアンス」と「トランザクション照合」があります。それぞれについて、詳しく解説します。

照合コンプライアンス

「照合コンプライアンス」は、貸借対照表照合や連結システム照合などの勘定科目の照合プロセスを管理するために役立つモジュールです。

勘定科目の照合は、事業単位や部門レベルなど、幅広い環境で実行できます。

勘定科目の照合を実行する際は、最初に管理者が勘定科目残高に割り当てるマッピング・ルールを作成します。残高がインポートされると、ルールに基づいた正しい照合が行われます。

その後管理者は、照合対象の残高や勘定科目の説明、指示、期限日および完了日を含む具体的な照合リストを設定します。この設定を行うことで、期限日が近付いている内容や照合への影響を、電子メールでユーザーに知らせることができます。

トランザクション照合

トランザクション照合は、既存の照合コンプライアンスの機能セットを補完するためのモジュールです。

ボリュームが多く人手を要する照合作業も、トランザクション照合を実行することで自動化することができます。照合結果を照合コンプライアンスの追跡機能にシームレスに統合することもできます。

トランザクション照合が追加されたことで、企業の照合業務にかかる時間を大幅に短縮できるだけでなく照合の質も向上し、さまざまなリスクの軽減につながります。

「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」を導入するメリット

「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」には先ほどご紹介した「Account Reconciliation」が含まれており、企業成長にとって必要なさまざまなメリットを享受できます。

ここからは、「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」を導入するメリットをご紹介します。

優れたインサイト

「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」には、優れたインサイト機能があります。導入後はアナリティクスやAIを経理・財務に応用でき、売掛・買掛業務や調達、決算業務といった業務のパフォーマンスを向上させ、プロセスにおける機敏性を瞬時に高めることができます。

同サービスに含まれるインテリジェント機能を活用すれば、ベンダー選定における異常値を検知することもできるなど、ベンダー・リスクや不正行為防止にも役立ちます。

意思決定支援

日本オラクル株式会社では、これまであらゆる業務アプリケーションに機械学習を組み込み、業務スピードの向上を目指してきました。「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」でも同様に、「Oracle Data Cloud」やパートナーから取得するデータを活用し、財務や人事、プロジェクト管理といった複数の部門やプラットフォームからインサイトを導き出すことができます。

膨大な情報から導き出したインサイトは、企業の戦略的な意思決定に大きく貢献するでしょう。

効率アップ・影響力の拡大

「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」では、ロボットによるプロセスの自動化やAI機能によるタッチレス処理によって、人的ミスを最小限に抑えることができます。

またAI活用による豊富なインサイトにより、ビジネスの先行きを予測し、適切な判断を導き出すことができます。

企業の作業効率が向上するだけでなく、影響力の拡大にも貢献するでしょう。

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まとめ

顧客との信頼関係やさまざまなトラブルを防止するためには、企業においてリコンサイル業務を行うことはもちろんのこと、人為的なミスがないよう自動化することをおすすめします。

「Oracle Adaptive Intelligent Applications for ERP」では、リコンサイル業務を自動化する「Account Reconciliation」をはじめ、さまざまなサポートを行っています。リコンサイル業務の効率化を考えている方は、ぜひ「OracleAdaptiveIntelligent Applications for ERP」の導入をご検討ください。

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