予算管理の業務と必要なスキルとは?

 2019.11.05  クラウドERP編集部

[E-Book]データ主導の意思決定に勇気を持ち続ける

予算管理、実施していますか?部門ごとの目標を立て、進捗管理と改善活動を繰り返していくことでビジネス上の目標・戦略を達成するための管理ですが、未だ実施していない企業も少なくありません。

「うちは小さな町工場だからね」と会社の規模を理由に取り組む必要はないと考える経営者も多いでしょうが、予算管理はすべての企業にとって必要不可欠な仕事です。

会社や部門の進路を決めるのに重要な情報を提供し、適宜軌道修正していくことで必ず利益体質を作ることができます。しかし、いざ予算管理を実施しようにも、何から始めればいいのか分からない方も多いでしょう。本稿では、主な業務内容と必要なスキルについて整理していますので、ぜひ参考にしてください。

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予算管理はなぜ必要か?

多くの会社では年度初めに、目標となる売上高や営業利益などを決め、それらを達成するのに必要な予算を立てます。その後、決算時に最終的な予算がいくらかかったかを計算し、年度初めに立てた計画通りにビジネスが進んだかどうかを判断することでしょう。

ところが、この方法では予算の結果を追うだけになり、予算が計画通りに達成されているかどうかをリアルタイムに把握することはできません。それはつまり、目隠しをして迷路を歩くようなもので、最後に目隠しを外してからでしか自分がどの位置にいるかを把握できないのと同じです。それで果てしてゴールへたどり着くことができるでしょうか?答えは当然「NO」ですね。

効率よくゴールするためには、自分が今いる位置を正確に把握した上で、先の道を予測しながら進んでいき、問題があればすぐに引き返して別の道を探す、という作業が必要になります。予算管理はいわばその迷路を、目でしっかりと確かめながら効率よくゴールするための業務です。

予算管理が無ければ四半期ごとの、月次の予算進捗を確認することはできませんし、リアルタイムな情報をもとにした経営判断、事業判断、業務判断が下せなくなります。会社の資源には限りがあるので、少ない予算で最大の利益を得ることが大切です。そのために、組織全体が予算管理の必要性を理解し、各々が予算を意識した活動を心掛けることがとても大切です。

予算管理は正しい予算編成から

それではまず、予算編成のやり方からご紹介します。予算を編成する際は、トップダウン方式とボトムアップ方式の両方を絡めて行われるのが一般的です。前者は経営層が決めた予算を部門単位に落とし込み、後者は部門から予算編成を積み上げていきます。

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1.利益に対する予算金額の策定

最初に会社が目標とする利益を策定します。予算として営業利益や経常利益を用いるケースが多く、これらの大半は経営層が決定します。資産運用など財務活動が多い会社では、経常利益を目標とするケースが多いでしょう。どの利益を基準にするかは各社の判断次第ですが、直近期を参考にする点は共通しています。それから次年度の増益予測などを加味し、利益目標を算出しましょう。

2.費用の予算化

利益目標が策定できたら、費用の予算化を行いましょう。大まかに「人件費」「減価償却費」「その他費用」に分類できます。

人件費

固定費である人件費の予算策定から始めるのがベターな方法です。担当は経理部、人事部、経営企画部などです。最初に部門責任者が次年度の人員計画を立案し、予算編成をまとめている部門に提出します。担当者は社員ごとの基本給や各種手当などにもとづき、次年度に発生する人件費を資産し、部門別に予算額を確定します。

減価償却費

一般的には経理部から部門ごとの固定資産リストを配布し、次年度の購入予定の資産を記入してもらいます。その後、資産の見積もり金額をもとに予算を算出していきます。

その他費用

オフィスやテナントの賃料、ネット回線通信料、保険料、光熱費などさまざまな費用項目があります。中には月々固定の費用と変動するものがあるので、費用項目を整理することが大切です。

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3.売上予算の策定

売上計上が発生する部門において、次年度の売上予算を検討します。前期の予算、実績をもとに次年度の見通しを考え、利益目標を達成するための予算を策定します。

4.販売管理費の予算化

販売費および一般管理の予算化を行いましょう。売上計上部門に策定が任されている場合は、売上予算と同時に対応するのが一般的です。

5.部門ごとの予算集計

予算編成をまとめている部門において、各部門が作成した予算情報を集計し、合算して会社全体の予算として策定します。

6.利益予算との差異調整

経営層が決定した利益予算と、部門ごとに集計した予算の利益金額に差異があったり、目標に届いていなかったりする場合は、各部門での調整を実施します。

予算編成では主にエクセルを使用しますが、次のようにデータベース化された予算管理書を作成すると、変更や追加があってもすぐに対応できるのでご活用ください。

<予算管理データベースの一例>

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予算管理の業務内容と必要なスキル

予算管理の主な業務内容は、年度初めに立てた予算計画に対して部門ごとの予算進捗がどうなっているかを確認しながら計画と実績の差異分析を行うことです。その上で、予算管計画を達成できていない、あるいは達成できなそうな部門を抽出して、問題と原因を特定し、予算を達成するための改善活動を行います。

必要なスキルとしては、まず最低限、損益計算書や部門ごとの予算報告書を読む力が必要です。さらに、さまざまな数値からどこに原因があるかを把握して、ロジカルに改善策を組みたてられる思考も必要です。また、予算管理では営業部門を含む様々な部門とのコミュニケーションが必要不可欠になります。そのため会社全体を見渡せる能力やコミュニケーション能力もも重要です。

場合によっては予算管理ソリューションを導入することも考えられるので、システムに精通しているとなお良いでしょう。いかがでしょうか?予算管理を実施することで、会社の経営状況を正確に把握できたりするので、まだ取り組んでいないという企業はこの機会にぜひ検討してみましょう。

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