サプライチェーン計画の課題を解決するSCMについて解説

 2021.04.06  クラウドERP実践ポータル

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サプライチェーン計画は、多くの課題があることで知られています。課題をスムーズに解決し、顧客に商品やサービスを適切に提供していくことが、企業活動においては重要です。

サプライチェーンの課題解決につながるのは、SCM(サプライチェーンマネジメント)やERPの導入です。今回は、サプライチェーン計画における課題を紹介したうえで、SCMの概念や手法について解説します。

サプライチェーンとは?5つのポイントで理解する物流の話

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製造業・小売業・食品業などモノを"作る”、"売る”、あるいは"流通する”というビジネスに身を置いている方なら誰もが「サプライチェーン」という言葉を耳にするのではないかと思います。
しかしその意味をしっかりと理解している方はどれくらいいるでしょうか?
本ページでは、きちんと理解しておきたいサプライチェーンについて分かりやすく解説していくと同時に、サプライチェーンマネジメント(SCM)として最適なシステム環境について紹介していきたいと思います。

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サプライチェーン計画の課題とは

サプライチェーン計画においては、すでに多くの課題や解決すべき問題が指摘されています。管理の現場では、解決策に悩んでいるところもあるでしょう。解決策を考える前に、まずはサプライチェーン計画の課題を整理しておきましょう。

在庫の適正化

サプライチェーン計画では、まず在庫の適正化が図れないことが課題として指摘されています。

製品の製造から発送までのリードタイムは、数ヵ月にも及ぶことは珍しくありません。この長期的なプロセスにおいて顧客のニーズを満たすためには、必要数や需要の変化などを適切に把握できる管理体制が不可欠です。

在庫は、適切な量を用意しておくのが理想です。多すぎてはキャッシュフローを圧迫し、少なすぎるとすぐに欠品してしまいます。サプライチェーン計画においては、この「多すぎず少なすぎず」の数量をいかに把握するか、つまり在庫の適正化が重要です。

在庫の適正化に失敗すると、企業は資金繰りや欠品に悩まされることになります。逆に適正化に成功すれば、在庫を必要最低限に抑えつつ、顧客のニーズに応えることが可能です。

可視化によるコスト削減

サプライチェーン計画では、コスト削減の課題も重要です。

企業にとって、余剰在庫を抱えないことは必ずクリアすべき課題の一つです。原材料の調達コストや生産コスト、保管コストなどを削減するためには、余剰在庫を減らす必要があります。

そのためには、サプライチェーンが可視化され、把握しやすくなっていることが求められます。可視化によって一つひとつの情報がわかりやすくなれば、無駄を省いて業務の効率化を図れます。それが、あらゆるコストを抑えることにつながるでしょう。

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リスクマネジメント体制の整備

サプライチェーン計画の課題として、リスクマネジメントも見過ごせないポイントの一つです。サプライチェーン計画には多くのリスクが存在するため、企業にはそれらを漏れなく管理していくことが求められます。

商品を安定的に供給するためには、リスクマネジメントの体制を強化し、適切な環境やルールなどを整備しなければなりません。作業中のミスなどのヒューマンエラーはもちろんのこと、不正アクセスなどのサイバー攻撃、従業員による意図的な不正などについても、企業は徹底的に備える必要があります。

起こり得るあらゆるリスクを洗い出したうえで、それに備える体制を整えることも、サプライチェーン計画においては重要です。

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サプライチェーンマネジメント(SCM)とは

ここからは、サプライチェーン計画の課題を解決に導くSCM(サプライチェーンマネジメント)の概要や普及した背景、導入することで得られるメリットなどを見ていきましょう。

SCMが広まった理由

SCM(サプライチェーンマネジメント)とは、サプライチェーン計画を適切に進めていくうえで必要になることを洗い出し、必要に応じて最適化を図る経営手法のことです。企業にとって、商品を安定的に供給するうえでSCMが重要なのは明らかで、多くの企業はそれを実現するためにSCMを検討する必要があるでしょう。

SCMは、80年代にブーズ・アレン・ハミルトン、K.R.オリバーとM.D.ウェバーによって提唱されたのが起源とされています。それが近年注目されるようになったのは、ビジネスの場においてグローバリゼーションやデジタル化が顕著になったことや、ビッグデータの活用が盛んになったことなどが理由として考えられます。

SCMとERPの違い

ERP(Enterprise Resources Planning)とは、社内で必要な業務を可視化したり一元化したりすることで、それらを経営に活用していく計画を立てる際の考え方、もしくはそのソリューションやシステムを指します。

これに対してSCMは、社内・社外を問わず、製品が消費者に提供されるまでに必要となる工程・業務を明らかにしたうえで、各プロセスの分断などの問題をなくし、適切に管理していきます。

SCM導入のメリット

SCMの導入で得られる主なメリットは、以下のとおりです。

  • 在庫管理の適正化による余剰在庫の減少
  • 経費の最適化による人的リソースの配分の適正化
  • スムーズな市場分析による需要変動への対応の迅速化

SCMをサプライチェーン計画の課題を解決するために導入すれば、主な課題である在庫管理が適正化され、余剰在庫の減少につながります。また、それによって経費の最適化が進めば、全体的なコスト削減にもつながるでしょう。

また、SCMは人的リソースの配分を最適化するうえでも役立ちます。経費をかけるべきポイントが明らかになれば、人件費を積極的にかけるべきポイントも明確になるからです。

さらに、SCMは需要変動にいち早く対応するうえでも役立ちます。市場分析をスムーズに行えるというメリットがあるため、急激な変動があっても迅速に対応でき、競争における優位性を高めることが可能となります。

Oracle Fusion Cloud SCMによる課題解決

サプライチェーンにおける課題を早急に解決し、競争に勝つための優位性を高めるためには、SCMの導入が欠かせません。

Oracle Fusion Cloud SCMでは、常にリアルタイムでサプライチェーンの情報にアクセスすることができます。生産や発送、販売などのプロセスにおいて、現在どのような状況にあるのかを瞬時に把握できるため、問題が発生した場合も迅速な対処が可能です。

AIを活用した分析システムも、特筆すべきポイントといえるでしょう。Oracle Fusion Cloud SCMでは、AIによる分析で今後起こり得るサプライチェーンの課題などを予測できるため、生産量などを迅速に調整することもできます。

また、Oracle Fusion Cloud SCMはユーザー数に応じてライセンス利用料を支払う仕組みになっているため、必要以上に運用コストがかかることがありません。業務内容などに応じて運用コストを最適化できるため、コスト削減しつつサプライチェーンに関わるあらゆる業務の効率化を図れるのが特徴です。

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まとめ

サプライチェーン計画においては社内・社外を問わず、さまざまな課題が指摘されています。製品を適切なかたちで顧客に提供していくためには、在庫の適正化を図る、無駄なコストを洗い出して適宜削減する、リスクマネジメント体制を整えるといった課題をクリアしなければなりません。

これらを実現するのがSCMです。変化が激しい市場に対応するためには、SCMやERPの導入を検討すべきでしょう。サプライチェーンの課題を解決し、業務効率化を目指すなら、Oracle Fusion Cloud ERP、Oracle Fusion Cloud SCMの導入をぜひご検討ください。

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