企業経営とSCM。これからのサプライチェーンを考える上で必要なこととは?

 2021.01.06  クラウドERP実践ポータル

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企業経営を最適化するためには、SCM(サプライチェーンマネジメント)が不可欠です。近年はIT化やグローバル化が急速に進み、ビジネス環境や製品の価値・需要が目まぐるしく変化しています。サプライチェーンも変化し続けているため、適切な方法で各プロセスを運用するためには、SCMを実践することが大切です。

サプライチェーンとは?5つのポイントで理解する物流の話

サプライチェーンとは?5つのポイントで理解する物流の話

製造業・小売業・食品業などモノを"作る”、"売る”、あるいは"流通する”というビジネスに身を置いている方なら誰もが「サプライチェーン」という言葉を耳にするのではないかと思います。
しかしその意味をしっかりと理解している方はどれくらいいるでしょうか?
本ページでは、きちんと理解しておきたいサプライチェーンについて分かりやすく解説していくと同時に、サプライチェーンマネジメント(SCM)として最適なシステム環境について紹介していきたいと思います。

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そこで今回は、SCMについて概要を解説した上で、今後のサプライチェーンを考えるにあたって必要なことを整理していきます。

企業経営とSCM。これからのサプライチェーンを考える上で必要なこととは?

企業経営におけるSCM(サプライチェーンマネジメント)とは

企業経営において重要な役割を果たす「サプライチェーンマネジメント(SCM)」とは何でしょうか。なぜサプライチェーンマネジメントが重要となるのか、その目的や必要性についても解説するので、まずはサプライチェーンマネジメントの概要を押さえておきましょう。

略してSCMとも呼ばれる「サプライチェーンマネジメント」とは、ある商品の原材料調達から消費者の手に渡るまでのプロセスを管理し、適宜効率化や最適化を図る手法や考え方のことです。

サプライチェーンは、「1つの商品の生産プロセス」ともいえます。商品が消費者の手に渡るまでのプロセスを細分化すると、以下のようになります。

①原材料調達

②生産

③出荷

④物流

⑤販売

商品は、このような流れで消費者の手に渡ります。おにぎりを例に考えてみましょう。

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①原材料調達(おにぎりの米や海苔などの具材を入手する)

②生産(メーカーがおにぎりを製造する)

③出荷(メーカーがおにぎりを物流事業者に渡す)

④物流(物流事業者によっておにぎりが店舗などに運ばれる)

⑤販売(おにぎりが店舗などで販売され、消費者の手に渡る)

企業経営におけるSCMとは、これらの流れを整備し、コストや人員を最適化していくことです。

サプライチェーンマネジメントはなぜ重要か

SCMが企業経営において重要だといわれているのは、以下のような理由があるからです。

  • 各プロセスの課題解決
  • 需要変動にも対応できる市場分析
  • 物流プロセスが最適化されコスト削減が実現

ビジネスの環境は時代の流れや経済の動きなどによって常に変化しており、各プロセスでは課題やリスクが次々に生まれます。だからこそ、最適化や効率化のための整備を行うSCMが常に必要とされるのです。それは、商品・サービスの需要変動に対応できる市場分析にも役立ちます。またサプライチェーンが最適化されれば、コスト削減にもつながります。

SCMが企業経営を左右する重要な考え方になったことには、企業のあり方がこれまでと比べて、よりグローバルになったこと、ビジネスモデルに変化があったことが関係しています。物事が多様化した現代においては、情報とともに物流プロセスを効率的に管理していかなければ、企業はビジネス環境の変化に追いつけないのです。

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企業経営におけるサプライチェーンを考える上で必要なこと

企業経営におけるSCMは、時代の流れとともに常に変化しています。今後のSCMを考える上では、以下のようなポイントに着目する必要があるといえるでしょう。

サプライチェーンモデルデザインをバリューチェーンモデルに適合させる

バリューチェーンとは、企業が打ち出す「価値の連鎖」のことです。物流プロセスにおいて、モノが持つ価値は高まっていきます。「価値の高まり方」で見るのがバリューチェーンであり、原材料調達から販売までのプロセスを指すサプライチェーンとは観点が異なります。

企業経営において、事業戦略の成功は重要です。今後企業は必要なバリューチェーンを定義し、それに適合させるサプライチェーンモデルを設計する必要があるでしょう。バリューチェーンがグローバル化するほど、物流ネットワークは複雑になります。

サプライチェーントータルコストを横断的に考える

サプライチェーンにはさまざまなコストがかかり、その種類は多岐にわたります。コストを考える際は各プロセスで単一的に考えるのではなく、横断的にトータルコストを最適化しなければなりません。

近年のグローバル化に伴い、従来の製造や資材、配送など以外にもコストがかかるようになります。今後は関税などもかかるようになることを考慮して、サプライチェーンモデルを構築しなければなりません。

データ分析と活用

SCMにおいてもデータ分析と活用は重要であり、不可欠です。

IT技術の発展に伴い、企業は膨大なデータを分析して事業活動を行うようになりました。企業が優位性を保ちつつ成長していくために、データ活用は欠かせない要素といえるでしょう。

データ活用と分析は、サプライチェーンがどのような価値を持つのかを明らかにし、その価値を向上させることにも役立ちます。そのためにはサプライチェーンアナリティクスなどのツールの活用が重要となります。

リスク評価と対策でサプライチェーンリスクを回避

近年サプライチェーンは、さまざまなプロセスにおいてリスクが増しているといえますが、SCMはサプライチェーンのリスクマネジメントの一部も担っています。サプライチェーンのリスクの増加には、ネットワーク技術の発展やグローバル化が影響しているといえるでしょう。

自社の事業内容を踏まえて、サプライチェーンに潜むリスクの洗い出しと評価、そしてリスク回避のための対策を講じる必要があります。今後もサプライチェーンは複雑化し多様化していくことが予想されるため、必然的にリスク回避のためのSCMが不可欠になるのです。

サステナビリティを意識したSCM

現在、ビジネスの場において「サステナビリティ」がトレンドになっています。今後は、サステナビリティを意識したSCMも必要になるかもしれません。

環境や資源の課題に向き合うことは、コンプライアンスと社会貢献を目指す企業のあり方として当然求められることです。そのため企業は、今後のビジネス環境においてSCMを実践する際に社会問題を無視することはできません。もちろん、そのための取り組みを実施することも必要になります。

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まとめ

SCM(サプライチェーンマネジメント)とは、原材料を調達してから商品が消費者に渡るまでの一連のプロセスを最適化することで、その生産プロセスをサプライチェーンといいます。サプライチェーンのグローバル化などに伴ってSCMには変革が求められ、今後必要となるSCMのあり方も変わっていくでしょう。

企業経営におけるSCMの最適化には、OracleのERP Cloudが役立ちます。ERPパッケージは、企業経営におけるあらゆる業務を一元管理し、効率化を実現します。グローバルで受注管理を行うことができるため、SCMにおける世界のデータ活用にも役立ちます。Oracle ERP Cloudで生産システムをはじめとした管理システムを運用し、効率的にSCMを進めていきましょう。

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