サプライチェーンとバリューチェーンの違い

 2020.01.29  クラウドERP編集部

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サプライヤーチェーンは原材料が加工や組立を経て、顧客や消費者の手元に製品が渡るまでの一連の流れを指します。「供給業者(サプライヤー)が繋ぐ流れ(チェーン)」なのでサプライヤーチェーンです。

一方、バリューチェーンとは製品やサービスが顧客や消費者の手元に届くまでに、さまざまな価値が加わる様子を表しています。サプライチェーチェーンと言葉が似ているので混同しやすいですが、2つのチェーンには明確な違いがあります。

本記事では、そんなサプライヤーチェーンとバリューチェーンの違いについて解説しますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

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サプライヤーチェーンとバリューチェーンの違い

まずはサプライヤーチェーンとバリューチェーンの違いを簡単に説明します

サプライヤーチェーン>

  • 供給業者が繋ぐ「供給の連鎖」
  • 原材料、部品などモノの流れに着目
  • 複数の企業で構成

<バリューチェーン>

  • 企業が作る「価値の連鎖」
  • 生産プロセスごとの価値の加わり方に着目
  • 1つの企業で完結

サプライヤーチェーンは供給業者が作り出す、資材を加工したり組み立てたりした「モノの流れ」に着目した考え方です。流れの終着点にあるのは顧客や消費者であり、彼らの手元に製品が届くまでにはたくさんの企業が関わっています。

バリューチェーンは生産プロセスごとに製品に価値が加わっていく様子に着目した考え方です。1つの企業が手を加えることでどのような価値が増えるのかを考えることで、最終的な顧客や消費者が受ける価値を考えることができます。

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サプライヤーチェーンとは?

改めて、サプライヤーチェーン(Supply Chain)とは原材料や部品の調達から加工・組立などを経て、製品が顧客や消費者の手元に届くまでの流れを表す考え方です。モノの流れのおスタートからゴールまでを一連の流れと考え、モノが効率的に流れるための管理を「サプライヤーチェーン・マネジメント」といいます。

  • 2次原料業者は1次原料業者に原料を供給する
  • 1次原料業者は加工業者に原料を供給する
  • 加工業者は製造業者に部品を供給する
  • 製造業者は卸売業者に製品を供給する
  • 卸売業者は店舗に製品を供給する
  • 店舗は顧客や消費者に製品を供給する

以上のように「供給」が連鎖することによって一連のサプライヤーチェーンが作られます。これを自動車製造で考えてみましょう。

  • 2次原料業者がプラスチックの原料となるナフサ(石油原料)や、鉄の原料になる鉄鉱石や石炭などを1次原料業者に供給する
  • 1次原料業者は仕入れた原料から異なる特性を持つさまざまな種類のプラスチックや鉄へと加工し、加工業者へと供給する
  • 加工業者(ティア1やティア2)は仕入れた加工製品から生産活動を行い、1つの部費の創り出し製造業者に供給する
  • 複数の加工業者から無数の部品を仕入れた製造業者は、それらを組立たり、自ら部品生産を行ったりして1つの自動車を完成させてディーラー(販売店舗)に供給する
  • ディーラーに訪れたお客様とコミュニケーションを取りながら、最終的に自動車を購入していただく

かなり大まかなサプライヤーチェーンですが、自動車製造では主に「2次原料業者⇒1次原料業者⇒加工業者⇒製造業者⇒ディーラー⇒顧客や消費者」といった順にモノの流れが発生します。ただし、サプライヤーチェーンというのは1本ではありません。自動車製造業者は複数の加工業者から部品を仕入れるのが当たり前ですし、その加工業者も複数の原料業者から仕入を行っています。

さらに、部品の種類によっては製造業者自身が加工を行っている場合もありますので、サプライヤーチェーンごとに流れは変わります。そのため、モノの流れは1本の鎖のような形状ではなく、複数の糸が絡み合って最終的(消費者や顧客)に1本に紡がれているという方が、実際のイメージとして正しいでしょう。

バリューチェーンとは?

バリューチェーン(Value Chain)は、原材料や部品の調達活動、製品の加工・組立、出荷配送、マーケケティング活動、顧客や消費者への販売、アフターサービスという一連の事業活動を通じて、それぞれのプロセスがどのような価値を生み出すかに着目した考え方です。日本語では「価値の連鎖」といいます。

そして、自社と競合他社が実施している様々な活動を機能別に分類して、分類ごとの強みや弱みを把握し、課題を洗い出して重要度の高いものから施策に取り組み、競合優位性を高めるための方法を「バリューチェーン分析」と呼びます。

バリューチェーンという考え方を提唱したのは、米ハーバード大学経営大学院の教授を務めるマイケル・E・ポーター氏です。同氏が1985年に発行した著書『競争優位の戦略(Competitive Advantage)』の中で、初めてバリューチェーンという言葉が使われています。

マイケル・E・ポーター氏が提唱するバリューチェーンでは、企業が日々行っている様々な活動を、製品や生産の流通および消費との直接的な関連性の有無によって「主活動(主要活動)」と「支援活動(副次的活動)」に大別します。

主活動(主要活動)

製品の生産活動やサービス提供など、製品の生産から消費までの地連の流れに直接的かかわりを持つ活動のことです。主に購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスといった5つの活動が該当します。

支援活動(副次的活動)

製品の生産や消費までの一連の流れに直接的なかかわりを持っておらず、主活動の支援を主な目的として行われる活動のことです。主に全般管理(インフラストラクチャー)、人事・労務管理、技術開発、調達といった4つの活動が該当します。

こうしたバリューチェーンを分析することにより、企業は自社の生産プロセス内で生まれている付加価値の量やバランスを把握し、競合他社よりも優れている強みや劣っている弱みを明確にできます。一方で、競合他社の強みと弱みを明らかにすることで、どの生産プロセスの改善に注力すればよいのかが明確になり、効果的な施策を展開できます。

バリューチェーン分析を実施することで、最終的には経営資源の効果的な再分配とコスト削減を実現して、事業利益の最大化を図ることができます。

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サプライチェーンとバリューチェーンの関係

ここまでサプライチェーンとバリューチェーンは「似て非なる言葉」として解説を進めてきました。しかし、2つのチェーンは無関係ではありません。サプライチェーンが生み出す供給連鎖はバリューチェーンに大きな影響を与えますので、バリューチェーン分析を実施する際はサプライチェーンも視野に入れながら分析を進める必要があります。また、サプライチェーン全体の最適化を狙うサプライチェーン・マネジメントを実施することで、生産プロセスごとの価値が変化する可能性が高いため、マネジメントの際はバリューチェーンにまで神経を伸ばしながら改善施策に取り組む必要があります。

製造業における諸問題を解決したり、製品が持つ価値を変えたりする場合は、本記事で解説したサプライチェーンとバリューチェーンを意識しながら新しい生産プロセスに取り組んでみてはいかがでしょうか?

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