見積管理システムとは?

 2017.08.10  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

従来のITツールと言えば、営業支援システムや会計管理システムなど、部門ごとに特化した業用務アプリケーションをそれぞれ導入するのが一般的でした。しかし最近では、部門ごとではなく業務ごとに特化したアプリケーションを導入する企業が増えています。

「見積管理システム」はそんな業務アプリケーションのうちの一つで、見積業務に特化した機能を提供します。

見積業務と言えば従来、顧客管理システムや営業支援システムでカバーされていた業務ですが、これが一つの業務アプリケーションとして独立したことで、さらに適正化された見積業務を行えるようになりました。

今回は、まだまだ日本全体では浸透していないが、ニーズが高まりつつある見積管理システムについて紹介していきたいと思います。

そもそも「見積管理」とは?

「見積管理」という言葉に耳馴染みのない方は多いと思います。「見積書作成ならほぼ毎日やってるけど、見積を管理するってどういうこと?」という疑問が出てくるでしょう。

まず「見積」という言葉は一般的に「見積書」のこと指します。顧客から見積依頼があれば営業担当者が見積書を作成・発行し、上司や営業部長の承認を得たうえで、顧客に提出するのが見積書です。

見積書には、基本的に次のような事項を盛り込みます。

  1. 見積もりの日
  2. 見積もりの番号
  3. 納品する場所
  4. 納品の期日(納期)
  5. 代金の支払条件
  6. 見積もりの有効期限
  7. 商品名
  8. 見積もりの金額

では、見積管理とは見積書を管理することなのでしょうか?答えは否、見積管理とは単に見積書を管理するためのものではありません。

承認フローを最適化する

見積業務において発生するのは作成・発行だけではありません。「承認フロー」という重要な業務があります。どんなに迅速に見積書を作成したとしても、承認業務が滞ってしまっては顧客へのレスポンスが遅れてしまいます。

従って、承認フローを最適化することは、見積業務において非常に大切な要素なのです。

見積管理はこの承認フローを最適化することも目的の一つとしてます。例えば承認作業を電子化することで円滑な承認フローを実現したり、責任者不在の場合の承認フローを構築したりなどです。

迅速な承認フローを最適化することができれば、見積依頼からのレスポンスを高め、競合他社との差別化を図ることができます。

NETSUITE PROCUREMENT
原価管理システムの選び方

適正価格を常に反映する

原価割れするほどの値引きや、赤字プロジェクトは組織に何のメリットももたらしません。しかし、見積書を提出した後、あるいはプロジェクトが始動してから「利益が出るはずが赤字になってしまう」という事実が発覚することが少なくありません。

これは適正価格を把握しきれず、勘や経験にもとづいて見積書を作成してしまっていることが主な原因です。見積業務は常に、原価を正確に把握した上での金額提示が重要なのです。

従って見積管理には原価管理という業務も含まれます。原価管理を行う上で常に適正価格を提示して、利益率を確保しなければならないのです。

見積のノウハウを蓄積・共有する

「たかが見積、されど見積」。見積業務をただ、価格や納期を提示するための「道具」として考えていると、競合他社に仕事を持っていかれてしまう可能性があります。仕事を確実に受注していくためには、実は見積書作成のポイントや提出のタイミングをしっかりと押さえることが大切です。

同じ内容の見積書でも見え方を変えるだけで印象がガラッと変わったり、提出のタイミングが少しずれるだけで顧客に与える印象は変わります。基本的な内容が盛り込まれていればいい、出来る限り早く提出すればいいというわけではないのです。

こうした見積業務のノウハウは、部門のエースや責任者が持っています。ノウハウを蓄積し、共有することで営業部門全体のパフォーマンスを向上し、成約率を高めていくことができるのです。

見積管理を軽視してはならない

このように、見積管理は単に見積書を保管するだけでなく、承認フローの最適化やノウハウの蓄積・共有など幅広い業務が含まれています。それぞれの業務ポイントを抑えることで、営業パフォーマンスを向上していくことが可能なのです。

このため見積管理を軽視せず「見積」という営業活動の起点から、業務改善を考えていただきたいと思います。

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見積管理システムで「見積管理」をどう実現するのか?

近年では見積書・請求書作成ツールなどが多く出回り、とりわけクラウド環境において市場が拡大しています。ユーザーは今いる場所や使っているデバイスに関係なく見積書などを作成することができるので、業務効率化効果があるというわけです。

しかし、そうした多くの見積書・請求書作成ツールは、あくまで「効率的に書類を作成すること」に焦点を当てています。従って、先に説明した見積管理を実現していく上では機能が不十分であり、劇的な営業パフォーマンス向上は望めないでしょう。

ここで紹介する見積管理システムは、やはり上記のような見積書・請求書作成ツールとは機能や利用目的自体が異なります。見積管理システムは「見積管理」を実現し、営業パフォーマンスを向上するために存在しているのです。

見積管理システムが備えている機能

見積管理システムの代表的な機能と言えば「見積書作成」「承認フロー」そして「他システム連携」です。

見積書作成は言わずもがな、見積書を作成するための機能ですね。Excelなどで作成する場合と違うのは、様々な状況に合わせて見積テンプレートを登録して、都度状況に応じたテンプレートの呼び出しができることです。

一口に見積書と言っても様々なものがあり、見積依頼をした顧客や製品に応じて変える必要があります。システム上にテンプレートが登録されていれば、担当者も迷うことなく、適切な見積書作成ができます。

承認フロー機能ではこれまで滞りがちだった承認作業を最適化して、迅速な承認フローを促します。クラウド環境を利用すれば責任者が外出中でも承認を求めることができ、独自に承認ルールを設定することも可能です。

見積管理システムにおいては、業務効率化効果が最も高い機能とも言えます。

そして他システムとの連携では、原価管理システムやその他基幹システムと連携することで、適正価格の提示などリアルタイムな情報を反映した見積書作成が可能になります。常に適正価格を提示できるようになれば、原価割れなどの心配もなく、効率的に業績を上げていくことができるでしょう。

このように、見積管理システムを導入することで、これまで人手では実現しづらかった見積管理を実現することができます。もちろん、正しい製品選定と運用を行うことが必要ですが、導入に成功した際の効果は絶大です。

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まとめ

本記事を読んだことで「自社にも見積管理の強化が必要だ!」という方が少しでもいれば幸いです。事実、見積管理は多くの企業の営業課題を解決するための、キーポイントになる業務ではないかと思います。

見積という、簡単かつシンプルだと考えられている業務だからこそ、改善の余地は多く最適化することで絶大な効果を生むことがあるのです。これを機に、皆さんの企業でも見積管理システムの導入をぜひ検討していただきたいと思います。

また、ERP(統合基幹業務システム)として見積管理システムを導入することも非常に効果的なので、同時に検討しておくことをおすすめします。

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