ビジネスインテリジェンス(BI)とは? NetSuiteが提供するデータ分析プラットフォーム

 2021.10.14  クラウドERP編集部

[E-Book]データ主導の意思決定に勇気を持ち続ける

世界30,000社に導入され、クラウドERPとしてNo.1であるとともに業界のリーディングカンパニーでもあるNetSuite(ネットスイート)。
クラウドERPについて検討されている方なら一度は耳にしたことがあると思います。

このNetSuiteというソリューションの中に、デフォルトで提供されているシステムの中に"NetSuite Business Intelligence"というシステムが存在します。

いわゆるビジネスインテリジェンス(BIツール)と呼ばれているものですが、「あー、あれか」と皆さんなんとなく知っていると思います。
しかし、詳しい概要や機能までは知らないという方も少なくないでしょう。

実はビジネスインテリジェンスは、クラウドERPを運用する上で非常に重要な役割を持っていたりするのです。
そこで、今回はこのビジネスインテリジェンスについて解説していきたと思います。

ビジネスインテリジェンスとは

定義

今でこそ"BIツール"という認識で定着していますが、そもそもはデータ取り扱いに関するビジネス概念が元になっています。

最も有名な定義は1989年に米調査会社ガートナーのアナリストであったハワード・ドレスナー氏が提唱したもので、要約すると"日々生成されている経営に関わるあらゆるデータを集計・加工・統合し、経営戦略へと活用する手法及び概念"です。

皆さんの企業には日々様々なデータが生まれていると思います。売上げデータ、在庫データ、Webサイトトラフィックなどなど、多様かつ膨大なデータですね。
これらはビッグデータとも呼ばれ、近年では多くの業界で活用が提唱されています。

こうしたデータ群は基本的に個別のシステムから生成され、それぞれに異なったフォーマットで管理されています。
ビジネスインテリジェンスはこれらのデータ集計し、マスターデータとして加工、そして統合してレポートとして提出するのです。

機能

一般的なビジネスインテリジェンスは、主に以下のようなアプリケーションで構成されています。

1.ダッシュボード

ダッシュボードの役割はKPI、分析レポート、業務アラートといった各コンテンツを一元的に管理・表示するための機能です。

もちろんただ表示するだけではなく、パーソナライズ機能によって個々人が必要な情報を必要なだけ参照できるようにカスタマイズすることもできます。

2.KPI表示

KPIとは「Key Performance Indicator」の略であり、日本語では「重要業績評価指標」となります。
簡単に言うと、最終目標に対する"中間ポイント”といったところです。

例えば「上半期の売上げを前年比110%に成長させる」といった最終目標があるとします。
この目標を達成するにあたり必要なことはリード獲得数の増加、LTV(※1)の向上、CPA(※2)の削減などなど、売上げを10%増加させるために様々な指標が絡んできます。

こうした最終目標に対して設定する指標がKPIであり、どちらかというと最終目標よりも重要視されます。

基本的に複数のKPIを設定するので、それぞれの達成率を追うためには多様なデータを全て集計・加工・統合しなくてはなりません。
まさにビジネスインテリジェンスの土俵といったところですね。

ダッシュボードにおけるKPIの基本表示は"スコアカード”と呼ばれるものです。
これは複数のKPIを縦一列に表示し、直感的にKPIを把握するための表示方法となります。

スコアカードにはKPIの値に加え、計画と実行の差異や比率、閾値などが記録されており、ユーザーによって表示をカスタマイズできるのも特徴です。

※1:LTVとは「Life Time Value」の略であり、日本語では「顧客生涯価値」を指す。製品やサービスを通じて顧客が企業と関わる間に生み出す利益のこと。

※2.:CPAとは「Cost par Acquisition」の略であり、一つの成約を獲得するまでにかかったコストを指す。

3.分析レポート

ビジネスインテリジェンスの核となる分析レポートに関しては、一般的に以下4つの分析手法が用いられています。

OLAP分析

日本語で「オンライン分析処理」という意味を持つOLAP分析では、DWH(データウェアハウス)などから取得したデータで多次元のデータベースを作成し、多方面から分析を行うためのものです。

多変量的に増え続けるデータ分析に有効です。

データマイニング

"おむつとビール"というデータ分析事例をご存知でしょうか?

これは1990年代に流行した事例で「某スーパーでおむつとビールがなぜか一緒に購入されているデータが多い。一見、無関係に見えるが、分析してみると"母親におむつの購入を頼まれた父親が、ついでにビールも購入していた”ということが判明。そこでおむつとビールの陳列棚を近づけたところ、売上げが向上した。」というものです。

この某スーパーが後のウォルマートであったりなかったり、半ば都市伝説化している事例ですが、データマイニングを説明する上では有用な事例です。

データを定量的に見るのではなく、定性的に分析することでデータの相関関係を導き出し、経営戦略に有用な知見を見出すための分析手法となります。

プランニング

経営上欠かせない予算編成計画に対し、様々な値を加えていくことで予算編成のシミュレーションを行うことができます。
また、為替や将来的な顧客ニーズの変動を読むことで、よりリアルな予算編成を実現する分析手法です。

業務アラート

業務アラートとは、ダッシュボードに表示されるKPIや分析レポートをもとに、閾値を設定しアラートするための機能です。
例えば、生産遅延の警告や振り込まれていない売掛金件数をアナウンスしたりなど、カスタマイズ次第で幅広い活用が見込めます。

中小企業がERPから利益を得る7つの方法
財務ソフトウェアによるビジネス対応

高度な分析アプリケーションはいらない

ビジネスインテリジェンスの概要について解説しましたが、OLAP分析やデータマイニングといった分析手法は誰でも扱えるというものではありません。

近年ではビジネスインテリジェンスもクラウド化し、"データサイエンティストではなくても使用できるBIツール”なるものが登場しています。
しかし実体としては、"従来の分析ツールに対し比較的安易に分析ができるようになった”程度のものです。
データ分析に関する専門的な知識が必要なくなるというわけではありません。

では、このような高度なビジネスインテリジェンスを活用するのは誰か?
それは専門知識を持ち合わせた情報システムか、あるいはごく一部の人間に限られます。

ERPを活用するユーザーのほとんどは、営業や経理などの一般社員や経営層の人間です。
つまり高度な分析アプリケーションを提供するビジネスインテリジェンスは、ほぼニーズがないと言っていいでしょう。

高度な分析アプリケーションが必要な場合は、外部アプリケーションもしくはカスタマイズでカバーするのが企業に優しいERPだと言えます。

[RELATED_POSTS]

NetSuite Business Intelligenceが提供するものとは

前項のことを踏まえ、NetSuite Business Intelligenceでは以下のような機能を提供しています。

ビジネス全般に渡る業績を概要レベルから詳細までリアルタイムに把握

いわゆるKPIですが、ビジネスインテリジェンスにおいては欠かせないアプリケーションです。
常にリアルタイムで更新されるKPIは経営戦略の意思決定を迅速化します。

一元化された情報により、常に最新かつ正確なデータを閲覧

情報の鮮度もさることながら、データを横断的に把握し総合的に評価を下すことも重要です。
視認性よく一元化された情報は整理の必要がなく業務効率化につながります。

プログラミングや高度な技術力を必要としない簡単なレポーティングツールによりセルフサービスかつパーソナライズ機能

NetSuite Business Intelligenceで最も注目して欲しいのはこのポイントであり、OLAP分析やデータマイニングといった高度なデータ分析を必要としません。

オールインワンで基幹業務システムを提供しているクラウドERPだからこそ、データは常に整合性が取れており特別な技術なくレポーティングすることが可能です。
また、忘れてはいけないパーソナライズ機能に関してもしっかりと持ち合わせています。

Webブラウザやモバイルデバイスからいつでも、どこでもアクセス可能

クラウドERPのNetSuiteだからこそできる、"時間と場所を選ばないデータ分析プラットフォーム"を提供しています。

ユーザーはインターネット環境さえあればデバイスを選ばず、常にシステムへのアクセスが可能です。

まとめ

今回ビジネスインテリジェンス及び、NetSuiteが提供する同アプリケーションNetSuite Business Intelligenceについて解説しましたがいかがでしょうか?
最近では「ビッグデータ分析と言えばBIツール!」が掛け声のように聞こえてきますが、自在にBIツールを使いこなせるのは限られた専門家です。

"データサイエンティストではなくても使用できるBIツール"というフレーズを受け、導入する企業は多いですが、機能を持て余しムダなコストを発生させているケースも少なくありません。

ですので、「ちょっとBIツールに触ってデータを可視化したいなぁ~」くらいのニーズであれば、NetSuite Business Intelligenceは十分すぎるBIツールだと言えます。

クラウドERP NetSuiteは財務管理システム生産管理システムといった基幹業務システムだけでなく、データ分析としての側面も持ち合わせているということを覚えて頂ければ幸いです。

ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ

RECENT POST「データ分析/BI」の最新記事


データ分析/BI

データ活用の目的・レベル・種類を解説! ビジネスにおける活用法とは?

データ分析/BI

今ビジネスインテリジェンスに求められるもの

データ分析/BI

具体的にどうすればいい?中小企業のビッグデータ活用

データ分析/BI

支出分析とは?企業経営に必要不可欠な要素とその進め方を解説

ビジネスインテリジェンス(BI)とは? NetSuiteが提供するデータ分析プラットフォーム
わかりやすいマンガ形式で解説!会計ソフトの選び方まるわかりガイド
ビジネスでの時間不足を解消する3つの方法

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action