オムニチャネルとは?現代ビジネスに求められる販売戦略

 2016.09.28  クラウドERP編集部

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最近マーケティング界隈において「オムニチャネル」という言葉が定着しつつありますが、単にオンラインとオフラインの連携ではないということをご存知でしょうか?

実は「O2Oマーケティング」と混同してしまっていたり、そもそもオムニチャネルについて明確に理解していないという方も多いようです。

そこで今回はこのオムニチャネルについてと、実現するために必要なことを簡単に解説していきたいと思います。

O2Oマーケティングと混同されがちなオムニチャネル

まずオムニチャネルについて簡単に説明すると、Webサイト・ショッピングサイト・モバイルサイト・ソーシャルメディア・Web広告・実店舗などあらゆるチャネルを統合し、まったく新しい購買体験をユーザーに提供するためのマーケティングを指します。

そしてO2Oマーケティングとはオンラインとオフラインで相互関係を作り出し、「オンライン→オフライン」あるいは「オフライン→オンライン」の導線を作り出すことです。

一見同じようなマーケティング方法に感じますが、きちんとした明確な違いがあります。

オムニチャネルは全てのチャネルで連携が取れている

例えば実店舗にて欲しい商品を見つけたにも関わらず在庫がなかった場合、ユーザーには2つの選択肢があります。

  1. 他店舗から在庫を取り寄せてもらい後日再び購入しに来る
  2. 実店舗での購入を諦めネットショッピングで同じ商品を探す

多店舗から取り寄せの場合、再来店しなければならない面倒さがあるので、ほとんどの方がネットショッピングで同じ商品を購入するのではないかと思います。しかしネットショッピングにしても商品を探して、購入手続きを行い決済するといった面倒があるのは確かです。

そこでオムニチャネル化された場所ではもう一つの選択肢を選ぶことができます。それは「実店舗にてネットショッピングから同商品を購入し、後日自宅に届くよう手配してもらう」という方法です。これなら自ら商品を探す手間も省けますし、その場で決済もしてもらえるので非常にスムーズです。

このように、オムニチャネルではあらゆるチャネルで在庫環境が統一されているので、実店舗にいながらオンラインサービスを受けたり、通販ショップから実店舗の在庫状況を確認するなどのサービスが提供可能になります。

これは従来にはないまったく新しい購買体験と言えますね。

データシート:NETSUITE アドバンスト在庫管理

O2Oマーケティングはサービスの利用価値を高める

O2Oマーケティングの代表的な事例と言えば、オンラインで取得したクーポン券を実店舗で利用するというものです。モスバーガーなど多くの全国展開チェーンショップではこうしたクーポンキャンペーンを古くから提供しているので、多くの方が利用したことがあるのではないでしょうか。

NETSUITE アドバンスト在庫管理
NetSuite 在庫管理

つまりO2Oマーケティングとは、オンライン(あるいはオフライン)においてオフライン(あるいはオンライン)の利用価値を高め、ユーザーの購買意欲を掻き立てるためのマーケティング方法と言えます。

これらの説明を踏まえるとオムニチャネルとO2Oマーケティングを以下のように定義することができます。

オムニチャネル=各チャネルを統合管理することで、オンラインとオフラインを意識させない新しい購買体験を提供するO2Oマーケティング=オンラインとオフラインの連携により双方の利用価値を高め、ユーザーの購買意欲を掻き立てる

このように、オムニチャネルとO2Oマーケティングにはしっかりとした違いがあるのです。

オムニチャネルの始まりは米国のMacy’s(メイシーズ)

Mayc’sは日本で言うところの高島屋や伊勢丹に相当する米国の大手百貨店であり、オムニチャネルの先駆者的存在でもあります。

このMacy’sが「オムニチャネルリテーラーになる」と宣言したのが2011年のことで、RFID(無線電子タグ)を活用したマーケティングが中心となりました。

そもそもの理由は深刻化するショールーミング化※1であり、実店舗において商品がまったく売れず営業不振が続いていたのです。そこでMacy’sは自社ショッピングサイトと実店舗の在庫や顧客情報を統合し、オムニチャネルというまったく新しい購買体験を提供し始めました。

これにより在庫の劇的な圧縮に成功しただけでなく、各ブランドのロイヤリティが向上したことでオンラインでの売上が40%向上したのです。

そしてMacy’sのオムニチャネル戦略を受け翌年の2012年から多くの企業がオムニチャネル化に乗り出しました。

ちなみに日本では2013年頃からイオングループなどの小売企業の多くがオムニチャネル化に乗り出したことで知られています。つまりオムニチャネル自体は浸透し始めてから数年程度であり、今後さらに成長していく市場だと言えますね。

※1:実店舗で商品を物色し、ネットショッピングで低価格なものを購入するユーザーが増加すること。

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オムニチャネル実現に必要なこと

オムニチャネル実現に必要なことを大まかにあげるとそこまで多くはありません。しかし、決して簡単ではないということを知っていただきたいと思います。

重要なのはとにかく在庫の統合

オンラインでもオフラインでも必ずあるのが在庫ですが、この在庫を統合しないことにはオムニチャネル化は不可能です。そのためにはMacy’sのようにRFIDなどを用いて統合的な管理ができる環境を整えなければなりません。

複数チャネルの確保

ショッピングサイトと実店舗は今や当たり前の時代ですので、重要なのはそれ以外のチャネルです。最近ではソーシャルメディアでネットショッピングが行えるサービスも頻出し、SNSユーザーの多くがそちらのに流れています。

また、モバイルデバイスからのインターネット流入数も年々増加しているので、これも一つのチャネルとして必ず視野に入れたいところです。

その他考えられる限り最適なチャネルを確保することで、ユーザーにより質の高い購買体験を届けることができます。

統合されたシステム環境

各販売チャネルを統合するということは、社内システムにおいても多くの統合が必要とされます。例えば、Eコマースシステム顧客管理システムなどできる限り多くのシステムが統合された環境を整えることで、オムニチャネルに伴う業務負荷を軽減しつつ労働生産性を高めることができるでしょう。

そこでおすすめなのがクラウドERPです。

Eコマースシステム、顧客管理システム、会計管理システムなど企業経営に必要な各システムを一気通貫で提供するERPソリューションをクラウドサービスとして利用できます。オムニチャネル化を目指すのであれば必須ソリューションと言っても過言ではないでしょう。

NetSuite(ネットスイート)」はオムニチャネルに適した統合環境をご提供することができます。

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まとめ

オムニチャネルについて深く理解するためには、まずO2Oマーケティングとの違いを理解すること。そして実現のために必要なことを大まかに理解することです。

今回はこの2つについて解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?実現したときの効果は非常に高いですが、道のりはなかなか困難です。実現に近づくためにも、やはりクラウドERPなどのソリューションは欠かせない存在と言えるでしょう。

世界の小売業界は今もなおショールーミング化が深刻化している模様ですので、ユーザー心理を逆手に取りMacy’sのようにオムニチャネル化を目指してみてはいかがでしょうか?

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